巡礼camino

行けるとこまで行ってみる

歩く。

カミーノに行くんだが何の運動もしていないと言ったら

知り合いの山歩きが趣味の豊田さんが

とりあえず歩きなさい。どこへ行くのも、と言いました。

 

私の家は最寄りの駅から1キロ半ほど。

普通に歩くと20分ちょっとかかります。

なまけものなのでふだんは自転車で、車を使うことも多かった。

これをやめました。

出先でもバスや電車を使わず歩く。

そしたら、けっこう歩けるものですね。

歩くの楽しくなってきました。

ただね、時間はかかるんですよ。

それでもずいぶん早くなって来たかな。

 

いったいどのくらい歩いているのだろうと思っていたら

ヘルスケアというアプリを教えてもらいました。

iPhoneをiOS8にした時に入ったものらしいのですが

これが優れもの。

アプリを起動していなくても

何歩何キロ何階分歩いたかを自動カウントしてくれます。

なるべく1万歩8キロくらい歩ける日には歩くようにしました。

 

近くの手賀沼の半周10キロ、快速の隣の駅からの15キロ、

がんばりすぎるとどっと疲れてしまうから

「(スピード出したり、競ったり、を)我慢、我慢

 右を出したら左を出す、そしたらいつかゴール」

というヨガのちか先生からのアドバイスを唱えながらゆっくりめに歩いています。

案外、家の周りの住宅地を知らない坂道を探しながら歩くのも

けっこうアドベンチャーです。

 

 

鎌倉カミーノ

言挙げパワーすごい。

 

何かが決壊したように、

お泊まり翌日の、まきちゃんとモーニングに行ったカフェでも

はたご夫妻のお宅でも、カミーノを語り楽器を弾きまくる。

その後ガリシアにも留学していた

イラストレーターのりょうこさんとも初ランチでも語り弾きまくる。

語らず弾かずにはおれない溢れるエネルギー(笑)

彼女からずっと前に編集していたというガリシア音楽のCDをもらい

ガイタ(バグパイプ)やパンディレータ、アコーディオンなどを使う

ケルト民族の影響を多く受けている

どこか素朴なガリシア音楽というものをはじめて意識しました。

私もアコーディオンバンドネオンを弾くし、アイリッシュ音楽も好きなので

耳が立ちます。

(その後、ちょうどその後ガリシアに旅立ったパンディレータ奏者の

方なども紹介していただいたり・・・さてさてこちらはどうなることやら)

 

ランチの後は江ノ島でペコさんがその日限定オープンしてるカフェへ。

 

都内でお店をされてた彼女、一年前に一緒にこのカフェに来た時に

何気なくこの辺に住みそうだね、といった私の一言にふと

人生の思い切った植え替えして、

数ヶ月後には引っ越して来てしまった強者。

そして、どんどんタマネギの皮を剥くようにいい人をやめて(本人言)

自分を開いていく姿を見せてくれている人。

その記念の日をお祝いしたかった。

おいしいものをいただき、励まされてお店を出る。

歩いて語って歩いて語って一日爆発。

 

言挙げってパワーが要るのね。

翌日から、一週間ほど熱を出しました。

 

 

 

 

言挙げ

さて、靴を買い、リュックも買い

そうなったら試してみたいと思うのが人情であります。

一週間後のはるこさんのご自宅での素敵ランチ会から、

鎌倉の書家の範子さんの個展へ

それから染織家の友人のお宅へお泊まりという日、

おろしたての靴を履いてまいりました。

カミーノ行きの話を一番先に打ち明けた友人きょうちゃんと

新宿からランチ会のお宅のある明大前まで歩いていこう、と計画してたのです。

背中には7キロの楽器を背負い、汗だくでてくてく。

しかしあえなく時間切れ、途中から電車に飛び乗る。

 

ランチ会では

カミーノ行きのことを白状することになり

なんだかみんながワクワクしてくれて

わたしもワクワクしてきて

もうあることないこと。

ほんと私調子に乗りやすい・・・

 

ホノルルマラソンを走ったひとまわり上のはるこさん曰く

「水も身体が受け付けなくなったら、ジェルのパワーチャージがいいわよ」

そうかあ、ホノルルで完走したんだなあこの人は・・・

 

その後鎌倉に向い、お泊まり先の牧ちゃんともカミーノ話で盛り上がり、

おやすみを言ってから布団でスマホチェックしたら

もうすでに私がカミーノに行くこと

Facebookにタグ付けアップされていました(笑。

 

いやこっそり行こうと思ってたんです。

だってすぐ脱落したら恥ずかしいし。

 

・・・と思ったことを反省しました。

これは、結果にこだわらず宣言していくべきなのだなあと。

もうね、もちろん完遂が目標なんですけど

真摯なチャレンジ自体を目的にすべきだと。

思う訳です。

少しずつ具体的になってくる

6月の半ば、国内ででこのカミーノの情報提供をされている

日本カミーノ友の会の説明会に行ってみようと思ったら

近くのカフェのマスター松田さんが一冊の本をくれました。

Coyote「スペイン彷徨特集」。

ダウンヒルをやっていたマスターはまた

リュックや靴は神保町のサカイヤスポーツがおすすめ、と教えてくれました。

どこで買えるのかも知らなかったから、へーと聞いておりました。

 

翌日の説明会では

持ち物やら行き方やらいろいろの講習会のあと、個別の相談会も。

 

少しお知り合いの同世代の会長の朋子さん

「日本語しか喋られなくてもぜんぜん大丈夫。ねっ、くみちゃん

(お隣にいた久美子さんは私より少しお姉さんだが全て日本語で通したらしい)」

「ちゃんとなるようになるから大丈夫」

「どこもいいけど、できればピレネー越えも体験してもらいたいなあ」

にこにこしながら次々と火を付けてくれました。

ここにも心の放火魔・・・

普段は私が心の放火魔と言われる方なのに。

 

そしてなぜかそのまま神保町に向かう足。

シューズ館では

「カミーノですか。これですね」と次々よき靴を出してくれ(他にもいるんだ)

店内には上り坂下り坂のちいさな履き試しができる坂まであり

いくつか試したうち少し軽目のトレッキングシューズをいつのまにか購入。

 

リュックも軽くて扱いやすいのを散々試して

フィット具合が気に入ったものを購入。

 

後日マスターに報告に行くと

「これを使って」とノルディックウォーキングのポールまで貸してくださる。

 

あ私もう行ける気になってる(笑。

おいおい、780キロって、東京から広島だぞ。

 

 

 

カミーノ巡礼とは

さて、サンティアゴ巡礼路について少々。

1000年以上の歴史を持つこの道は、

熊野古道紀伊山地霊場と参拝道)と並び

道自体が世界遺産となっています。

目的地のスペイン北西部のガリシア州にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラは、

エルサレム、ローマと並ぶ三大巡礼地で

9世紀、星の光に導かれ見つけられた

キリストの弟子、聖ヤコブ(スペイン名でサンティアゴ)のお墓に

教会が建立されて、コンポステーラ(星の野原)と名付けられた場所です。

ヨーロッパのあちこちからスタートした多くの巡礼者は

ここユーラシア大陸の西の果てをめざして命がけで歩いてくるのです。

天の川の下、レイラインともいわれるこの信仰の道は

今や宗教的な目的だけに限らずさまざまな目的で、

年間20万人の方が歩いています。

今年は特別聖年ということでなお多いことでしょう。

 

巡礼手帳とシンボルのホタテを持つ巡礼者たちは

アルベルゲと呼ばれる巡礼宿に泊まり

黄色い矢印の標識に導かれ

巡礼手帳に公式スタンプを押してもらって

てくてくとサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。

とはいえ、最後の100キロを歩けば、巡礼証明書ももらえるらしい。

 

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                  (出展:http://whc.unesco.org/en/list

いろんなルートのあるこのサンティアゴ巡礼道ですが

一番メジャーなのは

フランス国境のサン・ジャン・ピエ・ド・ポールから

サンティアゴを目指す「フランス人の道」。

(上の地図の太いピンクの線)

 

わたしもここを歩く予定。

 

大冒険

ちょっとやりたかったはずなのに

苦手だから無理、ってあきらめてきたものを

試してみたい欲が最近むくむくと湧いてきました。

 

齢半世紀。

この春子どもたちはほぼ手を離れ

両親はまだ元気

大好きという思いだけで突っ走ってきた仕事も一区切り。

あちこちガタが来つつもこの身体もまだ動いてくれる。

できることもできないことも自分だと受け入れること。

心配するよりも、期待すること。

 

かねてから気になっていた道を歩いてみることにしました。

サンティアゴコンポステーラの巡礼路。

スペイン語も喋れないのに

山道なんぞ歩いたこともないのに

これまでの人生最大の大冒険です。